自費の入れ歯の最大のメリットは何と言っても自由であることです。患者さんに良い入れ歯を提供するために、検査・材料・技術などあらゆる面で徹底的にこだわることができます。
対して、保険制度の制約を受ける保険の入れ歯には“ああしなさい・こうしなさい”という細かな決まりがあり、その中で患者さんが満足する良い入れ歯を目指さなければなりません。
これが、保険の入れ歯と自費の入れ歯の大きな違いです。
患者さんの口腔内の状況は人それぞれで、保険の入れ歯で満足される方もいれば、拭えない違和感に苦しむ方もいます。
このような方に向けてご提案するのが自費の入れ歯です。
自費の入れ歯には金属床・コーヌスクローネ・ノンクラスプ義歯など様々な種類があります。
どの入れ歯もこだわって製作できるため、ピッタリ感(適合精度)に優れた入れ歯ができます。
上顎の総入れ歯は落ちにくく、下顎の総入れ歯は浮き上がりにくく、また、見た目も使い勝手も優れた高品質な入れ歯です。
部分義歯では、金属バネなどの固定装置を違和感のない構造にしたり固定感を高めたり、見た目や使い勝手を追求することができます。
入れ歯のフレームに金属を使用した、薄くて軽く、強度に優れ、密着性や装着感も抜群の入れ歯です。
金属は熱伝導率が高く、味覚のひとつである食べ物の温度が瞬時に伝わるため、食感も楽しむことができます。雑菌や汚れも付着しにくい衛生的にも優れた入れ歯です。
軽くて丈夫で生体親和性(生体に安全・やさしい)の高いチタン金属を用いた入れ歯、固定バネのない入れ歯(コーヌス義歯)、入れ歯の磁石を内蔵した(磁性アタッチメント)義歯や、これらを組み合わせた入れ歯など、患者さんのご希望に合わせた設計が可能です。
コバルトクロム合金 | 古くから使用されてきた実績のある金属です。 保険の入れ歯の約1/4の薄さでありながらとても丈夫で長期間快適に |
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白金加金合金 プラチナ+ゴールド |
腐食に強く生体親和性を持つ金の特性と、強度の高いプラチナの特性を併せ持った合金です。 強度・弾性とも優れており、また体にやさしく(生体親和性)、金属アレルギーの心配がほとんどありません。 味覚を損なわないことも大きな魅力です。 |
チタン合金 純チタン |
非常に軽い金属でコバルトクロム合金の半分程度の重さしかありません。 丈夫で腐食に強い安定した金属で、その生体新和性の高さから医科では人工関節としても利用されており、金属アレルギーの心配もありません。 金属疲労も起こしにくく、長期間安定して使用できる入れ歯ができます。 味覚を損なうようなこともありません。 |
埼玉県から大田区(JR大森駅)まで遥々通って頂いた患者さんの治療例です。
この患者さんは上下の入れ歯を5年以上使っておらず、顎堤(歯ぐき)で噛んでいたそうです。
そのため、下顎が前方に転位しており、これを正しい位置に誘導するのに旧義歯を用いて2ヶ月間かかりました。
写真は適合状態を確認(試適)しているところです。
上顎のロウ義歯が完成しました。
入れ歯の土台(床)にきれいに人工歯が並び、美しい配列になっています。
こちらの写真も適合状態を確認(試適)しているところです。
上下顎とも入れ歯を装着した状態です。
装着後の調整は上下とも1回で済みました。
当院ブログの後記「特殊な入れ歯(上下チタン床義歯)」もご覧ください。
口蓋部をくりぬいて、軽量・コンパクト・装着感を追求した上顎の部分入れ歯です。
コバルトクロム合金のスケルトンプレート(金属の穴抜き)ですが、軽量ながらも十二分な強度設計を施しています。
当院ブログの後記「チタン義歯(部分入れ歯)」もご覧ください。
右の写真は鋳造(キャスト)した入れ歯のチタンフレームです。
当院の歯科技工士はトップレベルの技術力と器用さを兼ね備えています。
その歯科技工士が、私の非常に細かな要望に応えるために、なんと7回もの鋳造のし直しをしてくれました。(写真は1~6回目)
左は7回目の鋳造にして、ようやく採用した超精密チタンプレートに人工歯を並べた時の模型です。
入れ歯の設計は私で、フレームの鋳造・人工歯の配列などは歯科技工士の作業になりますが、この時点で大変素晴らしい入れ歯になることは明白です。
当院の義歯・補綴関係は、完璧な歯科技工士が付いてくれているので、こちらサイド(当院)の力量を最大限に発揮することができます。
この入れ歯もやや難症例ではありましたが、仮義歯(保険義歯)等で設計を充分に検討してきたため、患者さんにまったく違和感なく装着してもらうことができました。
このように当院の義歯製作にとことんつきあってくれる歯科技工士が私には数人います。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
当院ブログの後記「素晴らしい技工所(東京精密)」もご覧ください。
前歯部の顎骨(歯槽骨)が張り出していて、残存歯の歯軸がバラバラな場合、入れ歯の前歯部に金属の固定バネを設けることができないことがあります。
歯科医師・歯科技工士共に高度な技術を要求される症例です。ブログには歯科医師向けのコメントもありますので、ぜひご覧ください。
どちらの写真も作業模型の段階の写真です。
もちろん、将来的な総義歯対応まで考えた安心設計です。(新製は高くなってしまうので)
患者さんには“一床で一生”とはいかないまでも、少しでも長く良い状態で使ってもらいたいですからね!
当院ブログの後記「チタン床義歯(前歯部無ぎんタイプ)」もご覧ください。
患者さんには、まず最初に同じような義歯を保険でつくりました。
この義歯を約半年間使ってもらい、その後、最終義歯を製作しましたので、装着時の違和感はまったくありませんでした。
最終義歯では生体親和性に優れた純チタンプレートを用いており、非常に薄くて軽く、超精密な部分入れ歯に仕上げることができました。
当院ブログの後記「インプラントより安心安全なチタンを使用した部分入れ歯」もご覧ください。
総義歯で顎堤の萎縮が顕著で、下顎の残存歯が多いような場合など、チタン床に生体シリコーンを裏打ちすると、より快適な義歯を製作することができます。
当院ブログの後記「チタン床+ループシリコーン義歯」もご覧ください。
生体シリコーン義歯は当サイト「やわらかい入れ歯」でもご案内しています。
入れ歯の土台となる歯根部に磁性金属(キーパー)を埋め込み、入れ歯側に超小型磁石を取り付け、磁力で固定する義歯です。
強力な磁力でガタつきを抑えることができ、残っている歯が少なくても十分維持することができます。
部分入れ歯では固定する金属のバネの必要がなくなるため、見た目の良さと抜群の固定感を得ることができます。
主に金属床義歯のオプションとして使用します。
入れ歯の土台となる歯根に磁性金属(キーパー)を埋め込み、入れ歯側に超小型の磁石を取り付けた入れ歯です。装着時の違和感もなく、ぴったりと固定・支持することができます。
着脱も容易で、歯磨きなどの口腔ケアも楽にできます。
歯そのものが固定源となるので、部分入れ歯の場合は、金属のバネがいらず目立ちません。
摩擦力が固定源となるコーヌスクローネは、歯科医師の治療・設計技術、歯科技工士の義歯製作技術が要求される難しい治療です。そのため、対応していない歯科医院の多い入れ歯ですが、適正な技術を持ってすれば違和感の少ない最良の入れ歯をつくることができます。
専門的になってしまいますが、詳しい案内をブログでも公開しております。
私が発案した理論および方法になりますので、ご興味のある方はご覧ください。
下顎片側遊離端のコーヌスクローネはぴったりと適合させるのが非常に困難な反面、適合さえできれば非常に有効な補綴手段です。
写真は、外冠フレームを土台となる内冠に被せた状態です。
残っている歯が土台になるため形成して内冠とします。
この患者さんの場合は生活歯(神経の残っている生きた歯)だったため、内・外冠とも白金加金合金にして機械的強度を上げました。
ロウ模型の段階ですがコーヌスクローネが内冠・外冠とも仕上がりました。
実際に患者さんに装着して、実際に制作する前の最終調整をします。
セット時の写真ですが、綿密に各工程をおこなったため、ほとんど無調整で装着できました。
患者さんに好みの装着感を聞きながら、締め具合や咬合の調整を1週間ほどおこない、右側に偏っていた顎の位置も正常な範囲内に戻すことができました。
患者さん・歯科技工士・歯科医師が三位一体となり、最良の治療効果を得ることができました。
ノンクラスプ義歯は入れ歯を固定する金属のバネ(クラスプ)ない部分入れ歯です。
やわらかい樹脂製の入れ歯で、固定金具に相当する部分が歯ぐきに似せたつくりになっているため、目立つことがありません。また、無味・無臭でアレルギーの心配もなく、違和感の少ない体にやさしい入れ歯ができます。
ノンクラスプ義歯が安定しない場合は、見えない部分に金属補強をして装着感を高めることも可能です。(生体に比較的安全な白金加金合金の使用も可能です)
YouTube デンチャーTV:ノンクラスプデンチャーの理想的な症例
動画は上の前歯4本が欠損した状態と下の片側奥歯2本欠損した状態の2本立てです。
院長制作! YouTube デンチャーTVもぜひご覧ください >>
ノンクラスプ義歯は適応できるケースが限られるため、患者さんには適応・非適応を含め歯科医師がしっかりと見極める必要があります。また、使用限界も2~3年とその他の義歯に比べて短いため、希望される患者さんには特性や問題点などをきちんとお伝えし、納得された上で製作に入っております。
クラスプデンチャー | ノンクラスプデンチャー | |
審美性 | 金属の固定バネ(クラスプ)が見える | 自然な感じ |
強度 | 割れることがある | 割れにくい |
重量 | 半分程度~ | |
厚み | 厚い | 薄い |
適応症 | ほぼ全て | 限定される |
修理 | ほぼ可能 | 不可能なことが多い |
保険適応 | 有り | ほぼ無し |
費用対効果 | 良い | 悪い |
耐用年数 | 長期間持たせることが可能 | 2~3年 |
当院が導入しているノンクラスプ義歯はバルプラストデンチャーとドリームデンチャーです。
どちらも、スーパーポリアミド系樹脂を用いた入れ歯で、その優れた審美性と装着感から女性に特に人気です。
2~3年ごとの再製作が必要になりますが、エステ的な観点では大変素晴らしい義歯と言えます。
前歯4本を失った患者さんの治療例です。
今までは保険の部分入れ歯を使用されていましたが、ノンクラスプ義歯に変更されました。
入れ歯を固定する金属のバネ(クラスプ)がなくなり、見た目がかなり改善されたことがわかります。
シリコーンデンチャーは入れ歯の歯ぐき側(口腔内粘膜側)をバイオシリコーン(生体シリコーン)という特殊なシリコン樹脂で内張りした入れ歯です。
このバイオシリコーンが強く噛んでも痛くない、今までの入れ歯になかった最高のフィット感をもたらしてくれます。
ループシリコーンデンチャーは日本で開発された日本人に合った入れ歯です。
今まで悩みを抱え続けていた患者さんの痛い・ガタガタする・馴染まないなどといった問題を解消してくれるとても優れた入れ歯です。
YouTube デンチャーTV:やわらかい入れ歯!? ループシリコーンデンチャー
生体シリコーンのやわらかさとクッション効果が痛みを軽減!、吸着力アップ!
入れ歯の悩みをお持ちの方はループシリコーンデンチャーをぜひご覧ください。
◎2025年1月、大森八景坂は大田区の景観形成重点地区に指定されました。地域医療、東京都国保公務、そして、八景天祖神社を中心としたまちづくりのために尽力して参ります。内田将士
◎おかげをもちまして、内田歯科医院は開業53周年を迎えることができました。
◎予約制になっておりますが、当日アポイントが可能な場合もございますので、先ずはお電話にてご確認下さいませ。
※当医院は、オンライン資格確認、医療情報取得(同意を得た場合のみ)を行っております。
◎当医院は入れ歯治療に特化した歯科医院です。
※治療のご相談だけの診察も承ります。
※往診等で電話に出れない場合がございます。 大変申し訳ありませんが、時間を置いてから 再度ご連絡願います。
※引き続き新型コロナウイルス感染予防対策に 伴い、人数制限、診療時間の短縮を継続します。
【2025.02.13】
◎当医院では、他の医院で製作された金属床、 ノンクラスプデンチャー等の修理、調整も行っております。どうぞお気軽にご相談下さい。
◎どうか諦めないで諦めないで下さい!!内田歯科医院では、治療困難とされる顎堤吸収異常(顎の土手が著しく吸収した状態)に対して、クッション性に優れた国産高品質シリコーンを使用した義歯製作法により、咀嚼機能の回復を図ります。
◎新型コロナウイルス感染症対策に伴い、フジコー製 空気消臭除菌装置 マスククリーンを2台導入しました。 フォレスト・ワン製 口腔外バキューム Free-100miniを1台導入しました。
◇内田歯科医院では、保険義歯においても義歯製作に特化した歯科医師と義歯専門技工士による共同作業によって、より完成度の高い義歯をご提供しております。
【デンチャーTV】動画総再生回数15万回以上
YouTube動画【デンチャーTV】随時更新中
保険治療、保険義歯、入れ歯治療全般、審美歯科治療、口腔ジスキネジアの改善、金属アレルギーの方のメタルフリー修復、骨粗しょう症でビスホスホネート(BP)系薬剤をご使用の方の残根上義歯の作製、骨隆起を温存した義歯作製、歯ぎしり防止装置(ナイトガード)作製、各種マウスガード作製、顎関節症治療用スプリント作製、睡眠時無呼吸症候群治療用スプリント作製等、治療に対するご相談から承ります。
◇難抜歯等、各専門医療機関(口腔外科、歯周病科)ご紹介致します。
◇当医院は生活保護法の指定医療機関です。
内田歯科医院・入れ歯研究所
JR大森駅山王西口すぐ徒歩1分
TEL:03-(3774)2003【予約制】
健康寿命には歯と筋トレ!
オーラルフレイルにご注意下さい。
日本ボディビル連盟公認一級指導員 内田将士