歯周病の症状でご案内しましたが、歯周病は歯科疾患の中で最も怖ろしい病気です。
当院では歯科保存学の一分野である歯周治療学に従い以下の手順で歯周病・歯槽膿漏の治療をおこなっております。
歯周組織を詳細に診る歯周基本検査
歯周病の治療計画立案と説明
歯周病を根本から治す歯周病根治療法
歯周病を予防する歯周メインテナンス(SPT)
高齢化社会と言われて久しい日本において健康増進・健康長寿は国の政策となっています。
しかし、これは財政面での意味合いも大きく、
本来の目的は、いつまでも健康な生活を維持すること、QOL(生活の質)を維持できる健康を保つことだと思います。
歯ぐきからの出血や排膿、
歯のグラグラ(動揺)、痩せた歯ぐき・・・
このような歯周病の症状を改善し、良好な口腔環境を維持することで、全身の健康をも視野に入れた歯周治療!
これが当院の取り組む歯周治療です。
患者様に口腔の健康状態をお伝えすることは歯科医院の大切な役割です。
そのため、当院では初診時や定期健診時に歯周基本検査をおこない、患者様がこれからどうすべきかを詳しく説明するようにしております。
日頃の口腔ケアについて詳しくお聞きします。
歯周病の治療、歯周病の効果的な予防のために、食事・飲酒・喫煙・持病やストレスなど生活習慣についてもお聞きします。
歯周病の進行度を診る最もわかりやすい指標が歯周ポケット(歯肉溝)の深さです。
歯周ポケットの深さは目盛りの付いた細い棒状の器具(プローブ)で測定します。
歯周病の症状が進むにつれて歯槽骨が吸収されるため、歯はグラグラと動くようになります。
このグラつきを診るのが歯の動揺度検査です。
歯の側面に力を加えて動揺度を判定します。
レントゲン写真では、
歯を支える歯槽骨の状態や歯周組織の炎症状態を把握することができます。
歯列全体の感染状況はパノラマ写真、
感染部位の詳細を診る時は通常のレントゲン写真(歯1~3本)を使用します。
歯周病の大きな要因に“不十分な口腔ケア”と“不規則な日常生活”があります。
病原体の塊である歯垢(プラーク)が蓄積すると、歯周病菌は活発に活動するようになり、さらなるバイオフィルムの拡大に繋がるためです。
このことから、歯周基本治療はこれらの要因の排除が最大の目的とされています。
“不十分な口腔ケア”は歯科医院と患者様ご自身のプラークコントロールで解決できます。
“不規則な日常生活”については、歯周病のことや生活習慣などについてお話しする“口腔保険指導”によって改善していきます。
歯周病の原因や状況をお伝えし、これからの治療計画をわかりやすく説明します。
慢性疾患でもある歯周病の改善にはプラークコントロールなど患者様ご自身の努力も必要です。そのため、患者様とのコミュニケーションで信頼関係を築き、口腔衛生の重要性を認識していただき、医院と患者様とで互いに協力しながら歯周病の改善を目指します。
歯周病の改善には予防の基本である歯磨きは欠かせません。 しかし、隅々まできちんと磨けていないと無意味なためTBI(歯磨き指導)をおこないます。
TBIでは、最初に染め出しによる磨き残しチェックをおこない、歯磨きの癖や欠点を確認します。
その後、患者様にあった歯磨き方法を説明します。
口腔状態によってはデンタルフロスや歯間ブラシなどの使用方法も説明します。
口腔ケアの大切さをお伝えし、適切な歯磨きができるようになってもらうことが最も有効な治療方法です。
スケーリングは歯面(歯ぐきより上の見える部分)に付着した歯垢や歯石、バイオフィルム、その他の沈着物を専用の器具や機器を用いて除去する治療です。
とくに歯石は微生物の死骸やカルシウムが石灰化したもので、歯面に強固にこびりついており通常の歯磨きでは落とすことができません。また、バイオフィルムも歯磨きだけでは容易には除去できません。
スケーリングには次のような目的があります。
1、歯ぐきなどの歯周組織に炎症を起こす原因の病原体の除去
2、汚れて凸凹になった歯面を滑らかにして、歯垢や歯石の付着を抑える
3、歯面を滑らかな状態にして口腔ケアを容易にする
歯周病の治療としてだけではなく、定期健診時毎のスケーリングは健康な状態の維持に役立ちます。
スケーリング・ルートプレーニングは歯ぐきより下の歯根面の歯垢や歯石、バイオフィルム、歯周病で侵されたセメント質や象牙質を専用の器具や機器を用いて除去する治療です。
SRP:歯根面クリーニングとも言います。
スケーリング・ルートプレーニングには次のような目的があります。
1、歯ぐきなどの歯周組織に炎症を起こす原因の病原体の除去
2、歯周病によって汚染された組織の除去
3、歯根面を滑らかにして歯垢や歯石、バイオフィルムの付着を抑える
4、歯ぐきに害のない歯根面にする
歯がグラグラしているなど普段の生活に支障をきたしている場合は、隣の歯に固定する処置(暫間固定)などの応急処置をします。
周囲の歯への影響など、状態によっては歯を抜くこともあります。
歯周基本治療には、これまで紹介した治療の他に以下の治療があります。
歯周ポケットの清掃 | 不良補綴物などの修正・除去 | 保存不可能な歯の抜歯 |
虫歯の処置 | 咬合機能の回復処置 | 暫間固定 |
知覚過敏症の処置 | 悪習癖改善(歯ぎしりなど) | 応急処置 |
歯周基本治療で歯周病は改善するかもしれません。
しかし、歯槽骨の吸収によって下がった歯ぐきは改善されませんし、また深くなった歯周ポケットも容易には改善されません。
歯周外科治療は基本的に重度歯周病の治療方法です。
下がった歯ぐきの改善など、さらなる治療をお望みの方や、歯を長期間残したいとお考えの方にお勧めの治療です。
掻爬には「かきとる」という意味があります。
歯周ポケット掻爬術は、歯周ポケット内で炎症を起こしている歯周組織、歯垢や歯石を徹底的に掻爬・除去することで、歯根面と歯肉の再付着を促し、深くなった歯周ポケットの改善を図る治療です。
歯周ポケットの深さが4~6mm程度の場合におこなう治療で、歯肉切開の必要がないため簡単な手術だと思われがちですが、肉眼で確認しながらできる治療ではないため技術が要求されます。
外科的侵襲が少ないことから、高齢の方や合併症を有する方にも対応できます。
フラップ手術は、歯周ポケット掻爬術と同様に歯根面と歯肉の再付着を促し、深くなった歯周ポケットの改善を図る治療ですが、歯ぐきを切開して歯根や歯槽骨を露出させ直視下でおこなうため、歯周ポケット内で炎症を起こしている歯周組織、歯垢や歯石を徹底的に掻爬・除去することができます。
状態に応じて歯槽骨切除術や骨移植術もしくは人工骨移植術を併せておこなう場合があります。
組織再生誘導法(GTR法)は、失った歯ぐきや歯槽骨などの歯周組織を誘導・再生する手術です。
歯ぐきを切開して歯根や歯槽骨を露出させ、歯周病に侵された歯肉やセメント質、歯根に付着した歯垢や歯石を除去し、歯槽骨の形態を整えます。その後、特殊な保護膜(メンブレン)を使用して歯根膜や歯槽骨が再生できるよう保護し、歯ぐきを縫合します。
保護膜は再生に時間を要する歯根膜や歯槽骨のためにスペースを確保する目的で使用します。
GTR法によって歯周組織を健康な状態に回復できますが、完全に元の状態に戻るわけではありません。失った組織を少しでも回復し、歯を長期間残すためにおこなう治療です。
SPT(supportiveperiodontal therapy)は、中等度以上の歯周炎の治療が終了し、病状が安定した状態を維持するためにおこなう継続的な治療のことです。
対する、歯周病メインテナンスは歯周病が治癒した後の健康管理や歯周病の再発予防が目的となるため定期健診の意味合いが強いです。
なぜ歯周病になったのか?
それは患者様ご自身の歯周病のリスクが高いというからにほかなりません。
SPTはそのような患者様に向けた歯科医院でのプラークコントロール、スケーリング、咬合調整などの治療を主とした定期的な治療です。
中等度以上の歯周炎を治療された方 |
歯槽骨の骨吸収が歯根の長さの3分の1以上ある方 |
歯周ポケットが4mm以上の方 |
根分岐部病変を有する方 |
根分岐部病変:根分岐部への細菌感染によって起こる病変。
歯周病の安定状態とは、歯周組織の多くの部分が健康を回復し、部分的に歯周病の進行が停止し症状が安定しているとみなされる場合のことです。
つまり、以下のような部分的症状がみられる場合になります。
深い歯周ポケット | 根分岐部病変の残存 | 歯に動揺が認められる |
また、
わずかなプラークコントロールの低下で歯周病が再発しやすいと判定される場合 |
歯ぎしり(ブラキシズム)や舌習癖が強い場合 |
歯槽骨の吸収が大きく、わずかな咬合力でも噛んだ時の痛みなど(咬合性外傷)が生じやすい |
糖尿病など歯周病に影響をおよぼす疾患がある場合 |
なども歯周病の安定状態とみなしSPTが必要になることがあります。
患者様の歯周病の安定状態に応じて以下のような治療をおこないます。
プラークコントロール:ブラッシング指導、歯面清掃(PTC・PMTC) |
スケーリング:歯垢や歯石の除去 |
スケーリング・ルートプレーニング:歯垢や歯石の除去 |
咬合調整・歯冠形態修正:歯周病の病態を悪化させる因子である外傷性咬合の改善 |
通常の歯周治療や暫間固定(動揺のある歯の固定)など |
また、歯周病の安定状態だけでなく、全身の健康状態や生活習慣などを把握し、プラークコントロールや食生活などを含む生活習慣の改善にも取り組んで参ります。
SPTは基本的には3ヵ月に1回の治療(歯周病の管理)になります。
しかし、目的は安定状態の維持管理にあるため、最初は1ヵ月に1回の治療、その後は3ヵ月に1回、6ヵ月に1回などと状態にあわせた治療間隔でおこなっていきます。
SPTの治療終了は、
歯周組織の炎症は認められず、歯周ポケットの深さが3mm以下(深度測定時の出血もない)、臨床的に歯周組織の健康が回復し、歯周病が治癒と判断できた場合になります。
SPTの治療終了後は通常の定期検診に移行します。
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【2022.07.19】
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